◆ 概要
には、
「外域」と「外界」という、
よく似た名前の言葉が存在する。
しかし、この二つはまったく異なる概念である。
その違いを理解することは、
という世界を理解する上で欠かせない。
◆ 外域
外域とは、
と同じ世界に存在する、
外側の文明圏を指す。
空も。
大地も。
海も。
一つの世界として連続しており、
異世界ではない。
そのため、
理論上は行き来することが可能である。
しかし、
への出入り口は限られている。
多くは達が管理・共有する通路や、
古くから知られる接続地点を利用する必要があるため、
外域の住民が単独でへ辿り着くことは容易ではない。
外域とは、
同じ世界の中にある、
まだ見ぬ土地なのである。
◆ 外界
外界とは、
世界そのものの外側に存在する領域を指す。
歴史も。
文明も。
自然法則も。
生命の在り方さえ異なる。
外界とは、
本来接続されていない。
通常の移動手段で到達することはできず、
互いの存在すら知られていない場合がほとんどである。
外界は、
「遠い場所」ではない。
世界そのものが異なるのである。
◆ 夢層
夢層とは、
外界との間に存在するとされる、
中間位相領域である。
夢。
記憶。
願い。
憧れ。
失われた想い。
言葉にならなかった感情。
そうした曖昧なものが漂う場所として語られている。
夢層は門ではない。
通路でもない。
しかし極めて稀に、
異なる世界同士の共鳴が発生した際、
両者を繋ぐ緩衝領域として機能することがある。
◆ 来訪者
外域からを訪れる者は存在する。
旅人。
商人。
研究者。
時には、
この世界で新たな人生を歩むことを望む移住者もいる。
彼らは同じ世界の住人であるため、
条件を満たせばを訪れることができる。
また、へ迎え入れられる際には、
達の文化や価値観について十分な説明が行われる。
体臭や体液に因子が含まれること。
性交を含む親密な交流が文化の一部であること。
そして、
()は本人の意思を前提として行われること。
それらを理解した上で、
旅人として帰る者もいれば、
この世界で生きることを選び、
となる者も存在する。
一方、外界からの来訪者は極めて稀である。
外界とは本来交わらない。
そのため偶然辿り着くことはなく、
技術による到達も確認されていない。
◆ EX-LOG
外界観測記録「EX-LOG」では、
永夜世界の存在を信じ、
長い年月にわたってその痕跡を追い続けた観測者達が確認されている。
彼らは世界を越える方法を発見したわけではない。
探求。
憧れ。
願い。
そして、
世界を越えてなお届くほど強い想いが、
との共鳴を引き起こしたと考えられている。
世界を越えたのではない。
互いの願いが、
偶然同じ位相で響き合ったのである。
◆ と招来
は、
外界観測記録に残された一部の観測者達を認識した後、
による位相干渉を行っている。
これは、新たな接続を作る行為ではない。
既に発生していた共鳴を補助し、
互いの位相を安定化させるための行為であったとされる。
は門ではない。
は鍵でもない。
それは、
互いを見失わないための歌である。
そして、
極めて稀に、
世界を越えて届いた願いと、
それに応えたいと願った歌い手の想いが重なった時、
本来交わることのない二つの世界は、
ほんの僅かな時間だけ、
互いの存在を知ることができる。
EX-LOG群はその稀有な事例として記録されている。
◆ 補記
外域は、
同じ世界の中にある、まだ見ぬ土地である。
外界は、
世界そのものの外側に存在する、別の世界である。
似た言葉ではあるが、
その意味は決して同じではない。
の住民達にとって、
外域は、
「いつか訪れるかもしれない遠い土地」。
外界は、
「存在するかもしれない別世界」。
そのように認識されている。
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