『BLEACH』藍染惣右介
天に立つ必要のない世界
――もし、彼が永夜世界ノクティラの思想と出会ったなら
はじめに
世界の構造がおかしい。
そう気づいた者がいる。
なら、
その者は何をするのか。
受け入れる。
諦める。
変えようとする。
あるいは、
自分自身が、
その世界の上へ立とうとする。
『BLEACH』に登場する藍染惣右介について考えるとき、
一つ注意したいことがある。
彼について、
単純に
「悪だった」
とだけ整理してしまうと、
見えにくくなるものがある。
逆に、
「問題意識があったのだから正しかった」
と考えるのも違う。
分けなければならない。
何を問題だと感じたのか。
そして、
その問題を解決するために、何を選んだのか。
この二つは、
同じではない。
世界の構造へ疑問を抱くことと、
そのために他者を犠牲にすることは、
別の問題である。
では、
もし藍染惣右介が、
永夜世界ノクティラという、
まったく異なる構造の世界と出会ったなら。
そこには、
王がいる。
しかし、
その王が世界そのものを支えているわけではない。
世界を成立させるために、
一人の存在を楔として犠牲にしているわけでもない。
住民それぞれの営みが、
世界の循環へ参加している。
もし、
そんな世界を見たなら。
藍染は、
何を思うのだろう。
もしかすると、
そこで初めて、
こんな答えへ行けるのかもしれない。
「ならば私が、この世界の上に立つ必要はない。」
今回は、
世界の頂点を目指した者が、
「頂点に立たなくても自分でいられる」という自由へ辿り着く可能性について考えてみたい。
1.藍染の「問題意識」と「手段」を分ける
藍染について考えるうえで、
最初に必要なのがこれだと思う。
世界の構造に疑問を持つ。
そのこと自体は、
直ちに悪ではない。
なぜ、
この仕組みなのか。
なぜ、
誰か一人が中心に置かれているのか。
なぜ、
この秩序を受け入れなければならないのか。
そう問うことはできる。
問題は、
その問いの答えとして、
他者を踏み台にすることを選んだときだ。
問題を見つけたことと、選んだ解決方法は別々に評価しなければならない。
これは、
藍染を考えるとき、
かなり重要な部分になる。
2.「世界がおかしい」と気づける知性
藍染の大きな特徴の一つは、
非常に高い観察力と知性だ。
与えられた世界を、
そのまま当然のものとして受け取らない。
構造を見る。
権力を見る。
その裏側を見る。
そして、
「なぜそうなっているのか」
を考える。
これは、
ノクティラへ来ても変わらないと思う。
むしろ、
かなり早い段階で、
世界そのものを観察し始めるはずだ。
誰が権力を持つ。
何が世界を支える。
住民は、
どこまで自由なのか。
王は、
何をしている。
そして、
世界は、
何によって成立している。
3.王がいるのに、「絶対者」がいない
ノクティラには、
永夜王ヴァルがいる。
しかし、
ヴァルは、
世界そのものを成立させるための絶対的な存在ではない。
彼が存在しなければ、
即座に世界が崩壊する、
というような構造ではない。
王ではある。
統治者ではある。
しかし、
世界そのものではない。
藍染は、
ここへかなり早く気づくと思う。
王がいる。
なのに、
世界のすべてを王が所有しているわけではない。
これは、
彼にとって興味深いはずだ。
4.世界を支えるための「一人の犠牲」がいない
さらに、
ノクティラには、
誰か一人を世界成立のための楔として固定する構造がない。
ソリウスは、
循環する。
誰か一人だけが、
世界の重さを背負うのではない。
住民。
感情。
創造。
生命。
それらが、
世界の中を巡っていく。
つまり、
世界が
「一人の犠牲によって静止している」
のではなく、
多くの存在が参加しながら循環している。
ここは、
藍染にとって、
かなり重要な違いになる。
5.「ならば、誰を倒せばいい?」
もし、
世界の問題の中心に、
絶対者がいるなら。
それを倒す。
それに代わる。
自分が上へ立つ。
そういう解決法が見えやすい。
でも、
ノクティラには、
その中心がない。
誰か一人を倒したら、
世界の構造が変わるわけではない。
誰か一人を支配しても、
世界を所有できるわけではない。
すると、
藍染は、
少し奇妙な場所へ置かれる。
上へ立つための「頂点」が、そもそも存在しない。
6.支配する対象がない世界
もちろん、
住民を支配しようと思えば、
できるかもしれない。
力がある。
知性もある。
計画も立てられる。
でも、
そこで一つ問いが出る。
何のために。
世界構造の欠陥を変えるためではない。
絶対者を置き換えるためでもない。
なら、
支配そのものが目的になる。
ここで藍染は、
自分自身へ、
かなり厳しい問いを向けることになるかもしれない。
私は、本当に世界を変えたかったのか。
それとも、世界の上に立つ必要があったのか。
7.「天に立つ」という願いの中身
頂点へ立つ。
誰にも従わない。
誰よりも上にいる。
その願いには、
支配欲だけでなく、
別のものも含まれているのかもしれない。
自分より上に、
理不尽な構造が存在することへの嫌悪。
自分が、
誰かに従属する立場であることへの拒絶。
なら、
藍染の「天に立つ」という願いは、
一部では、
自由を求める願い
でもあったのではないか。
ただ、
その自由を得るために、
「自分が全員の上に立つ」
という方法を選んだ。
8.自由になるために、支配者になる必要はあるのか
ここで、
ノクティラが別の答えを見せる。
誰にも支配されない。
でも、
誰かを支配する必要もない。
上に立たない。
しかし、
下にも置かれない。
自分の人生を、
自分で選ぶ。
それで自由になれる。
つまり、
自由になることと、頂点に立つことは同じではない。
藍染にとって、
これはかなり大きな発見になると思う。
9.「誰にも従わない」と「誰も従わせない」
似ているようで、
違う。
誰にも従わない。
これは、
自分の自由。
誰も従わせない。
これは、
他者の自由。
ノクティラでは、
その両方を同時に持つことができる。
自分の意思を守る。
同時に、
他者の意思も認める。
ここまで行けば、
自由は、
支配の反対側に置ける。
10.ヴァルを見て、何を思うか
永夜王ヴァルは、
王だ。
でも、
王であることと、
全住民の人生を決めることは同じではない。
人々は、
それぞれの生活を持つ。
考えを持つ。
王と違う意見を持つこともできる。
藍染は、
そこを見ると思う。
王なのに、
すべてを制御しない。
力があるのに、
すべてへ介入しない。
それでも、
王として成立している。
この存在は、
藍染にとって、
かなり興味深いはずだ。
11.「統治」と「所有」は違う
王である。
だから、
民は自分のもの。
世界は自分のもの。
そうではない。
統治とは、
所有ではない。
人々が生きる場所を守ることと、
人々の人生を決めることは違う。
もし藍染が、
その違いを観察するなら、
「上に立つ」ということ自体への考え方も変わるかもしれない。
立場が高いことと、他者の自由を奪えることは同じではない。
12.ましろの「不自然さ」に気づく
元資料では、
藍染は、
ましろについてもかなり早く違和感へ辿り着くと考えていた。
ザエルアポロなら、
観測上の矛盾から。
藍染なら、
世界構造や権力構造の不自然さから。
ましろという存在が、
単に特殊な住民ではない。
どこか、
世界の内部だけでは説明しきれない。
そのことへ気づく可能性が高い。
13.北方の空白まで見る
さらに、
北方を見る。
地図上では、
未開拓。
でも、
藍染なら、
それだけでは納得しない。
未調査なのか。
未発見なのか。
それとも、
もっと根本的に違うのか。
そして、
そこまで観察した結果、
まだ世界として確定していない空白なのではないか
というところへ行く可能性がある。
世界が、
完全な固定物ではない。
これも、
彼にとって大きな情報になる。
14.「世界の外側」がある
そして、
ましろを見る。
北方を見る。
世界構造を見る。
そこから、
さらに推測する。
この存在は、
世界の内部だけにいるのではない。
もしかすると、
世界の外側にも接続しているのではないか。
ここまで来れば、
かなり深いところへ到達している。
でも、
重要なのは、
その後だ。
15.知ったからといって、支配しなくていい
秘密を知った。
なら、
利用できる。
世界構造へ関わる情報なら、
特に価値が高い。
以前なら、
その情報を、
自分の計画へ組み込む可能性もあった。
しかし、
ノクティラで長く暮らした藍染なら、
そこで違う選択ができる。
本人が望んでいない。
なら、
言いふらさない。
なぜなら、
その情報をどう扱うかを、本人に代わって自分が決める必要はないから。
これは、
元資料でも重要だった部分だ。
16.「分かったから支配できる」ではなくなる
藍染にとって、
知ることは、
大きな力になる。
相手を理解する。
構造を理解する。
弱点を知る。
その知識によって、
相手より優位に立てる。
でも、
知っていることと、
支配することは同じではない。
理解している。
でも、
利用しない。
知っている。
でも、
本人へ返す。
知性を、支配のためだけに使わなくてもいい。
17.圧倒的な知性を、捨てる必要はない
ここで、
藍染を幸福にするために、
知性を弱くする必要はない。
鋭いままでいい。
見抜く。
考える。
先を読む。
人の反応も分かる。
少し意地悪でもいい。
相変わらず、
自信満々でもいい。
元資料でも、
幸福になった藍染は、
そのような性格を失う必要はないと考えていた。
重要なのは、
能力ではない。
その能力を、何のために使うか。
18.「分かっているから黙る」という余裕
全部見抜いている。
でも、
言わない。
相手が隠している。
気づいている。
でも、
暴かない。
こういう態度は、
藍染にはかなり似合うと思う。
以前なら、
相手より一枚上であることを示すために使っていた洞察が、
今度は、
相手の自由を守るための沈黙
にもなる。
知っている。
でも、
知っていることを証明する必要がない。
それは、
ある意味、
以前よりさらに余裕のある藍染でもある。
19.誰かの上へ立たなくても、自分は変わらない
そして、
藍染の幸福を考えるうえで、
もっとも重要なのがここだ。
誰かの上にいる。
だから、
自分には価値がある。
もし、
この構造から抜けられたら。
上でもない。
下でもない。
それでも、
自分は自分。
知性もある。
力もある。
洞察もある。
考えもある。
順位がなくても、自分の価値は揺らがない。
20.「最も優れていること」を証明しなくていい
能力が高い者ほど、
それを証明し続けなければならないと感じることがある。
自分は優れている。
なら、
頂点へ立たなければ。
結果を出さなければ。
誰かより上でなければ。
しかし、
その状態は、
自由に見えて、
かなり不自由でもある。
なぜなら、
常に他者との比較が必要になるからだ。
藍染が本当に自由になるなら、
優れていることを証明しなくても、自分でいられる
ようになる必要がある。
21.勝たなくても、価値が減らない
戦わない。
征服しない。
誰かを負かさない。
それでも、
一日が終わる。
そして、
その一日が悪くなかった。
これは、
藍染にとって、
かなり大きな変化になると思う。
何かを達成したから、
良い日だったのではない。
誰かへ勝ったからでもない。
ただ、心地よかった。
それだけ。
22.何も征服していない夜
元資料にある藍染の幸福の形で、
とても象徴的なのが、
何も征服していない夜を心地よいと思えること
だった。
これは、
派手な救いではない。
王になるわけでもない。
世界を変えるわけでもない。
何か巨大なものを成し遂げるわけでもない。
ただ、
静かな夜がある。
それを、
悪くないと思える。
23.Night Cordで静かに過ごすという幸福
元資料では、
Night Cordで静かに酒を飲む藍染の姿も考えていた。
何かを計画しているわけではない。
誰かを観察して利用しようとしているわけでもない。
ただ、
そこにいる。
ましろから、
楽しいのかと聞かれる。
本人は、
大げさに肯定しない。
それでも、
その時間を拒絶もしない。
こういう、
何も起きていない時間を受け入れられること
が、
藍染にとってはかなり大きい。
24.安息は、敗北ではない
何もしない。
休む。
静かにする。
それを、
停滞と考えることもできる。
でも、
本当にそうだろうか。
常に上を目指す。
常に何かを変える。
常に計画する。
常に勝つ。
それしか許されない人生も、
かなり息苦しい。
なら、
何もしない自分を許せることも、一つの自由
だと思う。
25.藍染を「丸くする」必要はない
ここで、
幸福になった藍染が、
急に誰にでも優しい人物になる必要はない。
性格は、
そのままでいい。
自信はある。
頭も切れる。
人の考えを見抜く。
少し意地悪。
皮肉も言う。
簡単には動揺しない。
そのままでいい。
幸福になることと、人格を無個性にすることは違う。
26.「改心」より、「必要がなくなる」
藍染について考えるとき、
私は、
「改心」という言葉だけでは少し違う気がする。
悪かった。
だから、
反省して善人になる。
もちろん、
過去の行為と向き合うことは必要だ。
でも、
ノクティラで重要なのは、
もっと別のところにある。
支配しなくてもよくなる。
超越しなくてもよくなる。
つまり、
欲求そのものが、
環境によって別の出口を持てる。
27.上へ立たなくても、自由になれる
もし、
本当に欲しかったものの一部が、
自由だったのなら。
ノクティラでは、
その自由を、
別の形で得られる。
誰かへ従属しない。
誰かを支配もしない。
自分で考える。
自分で選ぶ。
自分で生きる。
これなら、
頂点は必要ない。
天に立たなくても、自由になれる。
28.ウルキオラとの関係も変わる
元資料では、
ノクティラで長く暮らしたウルキオラが、
藍染へ近況を話しに来る光景も考えられていた。
ここで重要なのは、
命令ではないことだ。
報告義務でもない。
情報収集でもない。
ウルキオラ自身が、
藍染へ話したいと思った。
だから、
話しに来た。
藍染も、
その違いへ気づく。
29.「従う者」ではなく、「会いに来る者」
これは、
人間関係としてかなり大きい。
命令すれば来る。
ではない。
命令していないのに来る。
利益があるからでもない。
義務でもない。
ただ、
会いたい。
話したい。
それは、
支配では作れない関係だ。
自由な相手が、自分の意思で戻ってくる。
30.支配よりも強い関係
誰かを支配すれば、
その人をそばに置くことはできるかもしれない。
でも、
それが本当に
「一緒にいたいからいる」
のかは分からない。
自由に去れる。
それでも、
戻ってくる。
その関係は、
支配より不確実だ。
でも、
だからこそ、
意味がある。
藍染が、
その価値を知ったなら。
他者との関係の見方も変わると思う。
31.かつて世界を見せた者が、世界を見せられる側になる
元資料では、
ウルキオラが藍染をザハラエルへ誘う場面も考えていた。
理由は、
大げさではない。
自分が好きな場所だから。
見せたい。
ただそれだけ。
かつて、
藍染がウルキオラへ世界を見せた。
今度は、
ウルキオラが藍染へ、
自分が好きになった世界を見せる。
32.教える側だけでなくていい
藍染ほどの人物は、
教える側。
理解している側。
見抜いている側。
そういう位置へなりやすい。
でも、
ずっとそうである必要はない。
誰かに、
新しいものを見せてもらう。
自分が知らなかった価値を教えてもらう。
それで、
自分の価値が下がるわけではない。
知らないものを教わることは、敗北ではない。
33.「好きだから見せたい」という理由
ザハラエルを見る。
星空を見る。
そこに、
巨大な目的はない。
世界構造の調査でもない。
戦略でもない。
ただ、
誰かが好きな場所。
そして、
その誰かが、
見せたいと思った場所。
それを見る。
このような時間を、
価値あるものとして受け取れるようになれば、
藍染の世界は、
かなり広がる。
34.すべてに意味を持たせなくていい
知性が高い者ほど、
物事へ意味を求めることがある。
何のため。
何が得られる。
どんな価値がある。
でも、
人生には、
明確な意味がなくても良い時間もある。
散歩する。
景色を見る。
酒を飲む。
誰かと話す。
それだけ。
意味がなくても、心地よい。
これを知ることも、
安息の一部になる。
35.世界を「変える対象」から「暮らす場所」へ
藍染にとって、
世界は、
観察するもの。
理解するもの。
そして、
変えるものだったかもしれない。
でも、
ノクティラでは、
もう一つ選択肢がある。
暮らす場所。
全部変えなくていい。
全部理解しなくてもいい。
全部自分のものにしなくてもいい。
その世界の中で、
一人として生きる。
36.「住民になる」ということ
これは、
藍染にとって意外と大きなことかもしれない。
世界の上にいる存在ではない。
世界を動かす存在でもない。
ただ、
その中で暮らしている一人。
最初は、
あまり魅力を感じないかもしれない。
でも、
長く暮らせば、
そこに自由があることへ気づく。
世界全体の責任を、
自分が背負う必要がない。
自分の人生だけを、生きることができる。
37.責任を背負わなくてもいい自由
頂点へ立つということは、
権力だけではない。
責任もある。
世界を変える。
なら、
その結果まで背負うことになる。
でも、
一人の住民なら。
今日は、
何をする。
明日は、
どこへ行く。
誰と話す。
そういう小さな選択だけでもいい。
この軽さは、
支配とは別の種類の自由だ。
38.「自分の価値」を世界構造へ証明しなくていい
世界を変えなければ、
自分の価値がないわけではない。
王にならなければ、
優れていないわけでもない。
誰より上でなければ、
存在する意味がないわけでもない。
藍染の幸福を考えるなら、
最終的には、
ここへ行くと思う。
自分の価値を、世界そのものへ証明し続けなくていい。
39.《支配/超越への欲求》から《自由/安息》へ
元資料で整理した藍染の幸福の方向は、
明確だった。
**《支配/超越への欲求》
→
《自由/安息》**
これは、
力を失うことではない。
頭が悪くなることでもない。
野心を完全に失うことでもない。
ただ、
支配しなければ自由になれない、
という構造から抜ける。
超越しなければ、
自分の価値が保てない、
という構造から抜ける。
40.何も征服しない自由
世界を手に入れなくてもいい。
誰かの上へ立たなくてもいい。
自分の知性を証明しなくてもいい。
何かを計画していなくてもいい。
ただ、
静かな夜がある。
誰かがいる。
酒がある。
会話がある。
あるいは、
何も話さない。
それでも、
悪くない。
何も征服していないのに、満たされている。
これは、
藍染にとって、
かなり大きな幸福だと思う。
おわりに
天に立たなくても、自分は消えない
藍染惣右介を幸福にするために、
知性を奪う必要はない。
自信を消す必要もない。
鋭さを丸める必要もない。
少し意地悪なところも、
そのままでいい。
世界を見る。
構造を見る。
誰より早く、
おかしなところへ気づく。
それも、
彼のままでいい。
ただ、
一つだけ、
答えが変わる。
世界がおかしい。
なら、
自分がその上へ立つ。
ではない。
世界がおかしいなら、
構造を考える。
他者と話す。
別の可能性を探す。
そして、
自分自身は、
頂点にいなくても生きられる。
誰かの上へ立たなくても、自分の価値は揺らがない。
王にならなくても。
支配しなくても。
超越しなくても。
自分は、
自分のまま存在できる。
自由とは、
すべてを支配できることではない。
何も支配しなくても、自分の人生を選べること。
そして、
安息とは、
何かを成し遂げた後にもらえる報酬ではない。
ただ、
静かな一夜を心地よいと思う。
それだけでもいい。
《支配/超越への欲求》から《自由/安息》へ。
もし、
藍染惣右介が、
そんな答えへ辿り着いたなら。
もう、
天へ立つ必要はない。
なぜなら、
地上にいても、
彼の価値は何一つ失われないからだ。
それが、
永夜世界ノクティラから考えた、
藍染惣右介の
一つの幸福の形である。
あなたが、生きてきたことを否定しない世界。
永夜世界ノクティラ。
本記事について
本記事は『BLEACH』に登場する藍染惣右介の人物像・価値観・作中で描かれたモチーフを題材として、Lewd Beast Tribe/永夜世界ノクティラの文化・倫理・思想を考察する非公式の比較研究・思考実験です。
本記事で記述している「ノクティラであればどうなるか」という内容は、すべてLewd Beast Tribe側から行った独自の仮定であり、『BLEACH』の公式設定・続編・公式解釈を示すものではありません。
『BLEACH』および同作に登場するキャラクター・設定等の権利は、それぞれの原作者・出版社・制作会社その他の権利者に帰属します。
Lewd Beast Tribeおよび本サイトは、『BLEACH』ならびに各権利者とは関係ありません。
LEWD BEAST TRIBE