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位相漂着記録群 / PHASE DRIFT ARCHIVE

EX-LOG / 02 未帰還観測者

OFFICIAL ARCHIVE RECORD
分類位相漂着記録群
作成日2026年5月15日 4:59
OBSERVATION CHANNELUNSTABLE / RECORD RECOVERED
『未帰還観測者』— Observer Between Worlds —.png

◆ 分類番号

EX-LOG / 02

◆ 名称

未帰還観測者

◆ 概要

本記録は、
EX-LOG/01「▒▓帰還拒否個体▓▒░」にて確認された漂着個体を追跡していた、
外界側観測者に関する記録群である。

観測者は、
断続的に受信される夢層通信、
異常位相ノイズ、
および漂着個体から送信されたと思われる複数の記録媒体を通じ、
への接触を開始した。

本記録は、
外界側における「追跡型位相共鳴事例」として分類される。

◆ EX-LOG / 01との関連性

EX-LOG/01「▒▓帰還拒否個体▓▒░」において確認された写真媒体には、
以下の文章が残されていた。

「私は幸せ。やっとたどり着いた。」

未帰還観測者は、
この記録を受信した人物の一人であり、
同時に漂着個体の旧友でもあったとされる。

観測初期段階では、
対象は単なる失踪者として扱われていた。

しかし、
受信される通信内容には明確な感情反応、
人格連続性、
および通常説明不能な位相同期現象が確認されており、
観測者は次第に「対象は死亡していない」という確信へ至っていく。

◆ 観測者について

記録上、
観測者は外界において強い自己乖離感を抱えていた。

特に女性である事の性自認の不一致、
社会的適応疲弊、
および慢性的孤立傾向が確認されている。

EX-LOG内に残された音声記録には、
以下の発言が存在する。

「どうしてあんなに幸せそうだったんだろう」

「帰らなかったんじゃない。」

「帰る必要が無かったんだ。」

観測後期には、
対象は側との夢層同期率を急速に上昇させていた。

◆ Phase Error : 0.571046

本数値は、
観測者と間に発生していた位相誤差値を示す。

通常、
外界存在は高い位相誤差により境界接触を維持できない。

しかし本観測者は、
極めて異例な安定状態を維持していた。

これは、

  • 強い感情共鳴
  • 夢層適応性
  • 漂着個体との精神同期

によるものと推測されている。

なお、
記録終盤では誤差値の急速低下が確認されている。

加えて、
本事例では側からの極めて強い受容反応が確認されている。

特に、
M█i█r█」による認識、
および対象を迎え入れたいという強い感情同期が、
位相安定性へ大きく影響した可能性が示唆されている。

このため、
単なる位相適応のみでは、
外界存在がへ漂着することは極めて困難と考えられている。

◆ 最終記録

最終観測時、
観測者は研究施設内から消失していた。

争跡、
外傷、
強制連行痕跡は存在しない。

モニターには長時間に渡り砂嵐が発生しており、
その中に金色の瞳を持つ獣人型シルエットが断続的に映り続けていた。

消失直前、
観測者が最後に残した音声記録:

「もし次の夜に、

君の声がもっと近く聞こえたなら――」

以降、
通信は途絶。

ただしにおいて、
漂着個体と酷似した二つの位相反応が同時観測されている。

『未帰還観測者』— Observer Between Worlds — [ Phase Error : 0.571046 ]

◆ 補足記録

後続観測により、
側領域において、
二体の個体が共に行動している姿が断続的に確認されている。

一体は、
EX-LOG/01に記録された漂着個体と特徴が一致。

もう一体は、
外界側観測者と極めて高い位相一致率を示していた。

外見記録では、
黒髪・金瞳・黒毛を有する、
男性的特徴を持つ個体として定着している。

対象は到達後、
極めて高い存在安定性を示しており、
外界記録時に確認されていた自己乖離反応は消失している。

◆ 現在の分類

分類:
位相漂着成功事例

状態:
未帰還

備考:
対象は帰還意思を喪失している可能性が高い。

しかし、
記録内感情波形に恐怖・苦痛反応は存在せず、
極めて安定した幸福状態が継続している。

◆ 関連する記録